[1] 位牌のいろいろ
- ■位牌とは
- 位牌は亡くなった人の霊を祀るために、戒名(法名)、俗名、死亡年月日、年齢(行年)などを書いて、仏壇に安置する木牌のことです。
位牌の起源は、中国の儒教での葬儀法要に使われていた木牌を、禅僧が日本にもたらしたものと言われています。寺院では鎌倉時代頃から用いられ、江戸時代に一般にも次第に普及するようになったといわれています。
位牌には、野位牌、内位牌、本位牌(札位牌、繰り出し位牌)、寺院用位牌などがあります。
葬儀の時に用意される位牌は、野位牌と内位牌で、ともに白木のまま祭壇上に安置されます。野位牌は、葬儀の終了後に墓地におかれます。墓地までの葬列のときに喪主が持つ位牌が野位牌です。寺院によっては四十九日の忌明けまでの位牌を本堂に安置し、のちに墓地に持っていくところもあります。
内位牌は、葬儀の祭壇の中心に安置され、その後四十九日忌の忌明けまで小さな祭壇上にまつられます。この間に黒塗、あるいは金箔塗の位牌を作り、仏壇内にまつる本位牌を用意します。 - ■位牌の種類
- □札位牌(板位牌)
- 故人一人について、または夫婦一体として一つの位牌とするものです。黒塗、金箔、文字を書いたもの、彫ったものなどがあります。形は、蓮台をつけただけのもの、屋根や扉をつけたものなど様々な形があります。
- □繰り出し位牌
- 屋根と扉が付いた枠があり、その中に複数の塗板や白木の札を納めたものです。過去帳を入れるものもあります。