通夜の準備・自宅（当日〜2日目）
[4] 遺族・親族の打合せ
- ■喪主の決定
- 喪主は通夜・葬儀の責任者であり、また故人に代わって弔問を受ける立場にあります。したがって、喪主になる人は故人と最も血縁の深い人を選びます。
たとえば、既婚者が亡くなったときは配偶者が、配偶者が既に死亡していれば長男が、喪主になるのがふつうです。また配偶者がいても高齢の場合は長男が、配偶者が死亡し子供もいないときは親の兄弟が喪主を務めます。家族、親族がいない場合は、他人であっても最も身近にいた人が務めます。 - ■世話役代表と各世話役の決定
- 通夜・葬儀をスムースに行うためには喪家の事情や地域の習慣がよくわかっている世話役をたてます。世話役は葬儀社や寺院との打ち合わせに立ち会い、遺族に代わって諸事雑務を行う役目なので、遺族の親戚、遺族の友人、故人の友人らにお願いするのが妥当です。
世話役には、受付係、接待係、会計係、案内係、交通係、調達係、進行係などがあります。親戚や友人の中から適任者を選び、なるべ早く依頼しておきます。依頼の方法は電話でもかまいません。
このとき世話役代表も決めておきます。世話役代表は世話役の指導者である一方、喪主や遺族のよき相談相手となる役目です。住所録や当座の現金を預ける場合があるので、人格的に円満で、指導力や統率力のある人が適任で、喪主と親交のある親戚、故人の親友などをたてる場合が多いようです。 - ■世話役の役割り分担
- 各世話役の役割と選び方を整理すると、ほぼ次のようになります。
- □世話役代表：
- 世話役を代表し指導する責任者です。喪家の指示や考えを世話役に伝えるので、喪家と縁の深い人が適任です。葬儀委員長をたてる場合は選出しません。
- □会計係：通夜・
- 葬儀にかんする全ての出納を担当します。他の諸係と同じく普通のお葬式なら1名、大きな葬儀なら2名選出します。経理実務の経験者が適任。身内から選ぶ方がよいでしょう。
- □受付係：
- 香典や供物の受付を主に行います。小さなお葬式では案内係を兼務し、会葬者の案内なども行います。人当たりのよい社交性のある人が適任です。
- □接待係：
- 弔問客などの接待を主に行います。読経前の僧侶に茶菓を出したり、精進落しなどの宴席での接待も担当します。男女各1名を選ぶ方がよいでしょう。
- □進行係：
- 通夜・葬儀の式次第などを喪家と打ち合わせ、葬儀式がスムーズに運ぶようにする役目です。弔辞や弔電紹介にかんする指名や手配もします。小さなお葬式なら必要ありません。
- □調達係：
- 通夜にふるまう飲食品、仮眠に使う寝具、受付などで使う筆記用具、病人や怪我人に使う医薬品などを調達する係です。
- □交通係：
- 駐車場や道路の交通整理にあたる係。車で駆けつける会葬者が多くなっているだけに、大きなお葬式の場合は3〜4名は選んでおく方がよいでしょう。
- 世話役が決まったら喪章をつけますが、喪主と世話役代表は大きな喪章をつけるので、それより小さいものにします。喪章やリボンは葬儀社に頼めば用意してくれます。
- ■司会者の決定
- 司会者（進行役）には近親者や友人などが選ばれますが、適任者がいなければ葬儀社の方で引き受けてくれます。
- ■弔辞者の決定
- 弔辞者は、故人と親しかった人、会社の上司などに弔辞を葬儀前日までに依頼しておきます。一般の家庭葬儀の場合、弔辞を読む人は1〜2人です。
