[1] 仏壇とは
- ■仏壇の起源
- 仏壇がまつられはじめたのは、7世紀末の天武天皇の時代と言われています。
「日本書紀」によると、天武天皇は仏教を奨励して、「全国の各家に仏舎を作って、仏像および経文を置いて、礼拝し供養しなさい」という内容の詔を発布しました。これを受けて各地の貴族がこぞって自宅の敷地に持仏堂を建てたのです。これがやがて家屋内の仏間となりました。
時代が鎌倉時代になると仏壇の形が定まっていき、次第に上流階級から普通の庶民にも普及していきました。
一般の庶民に広まったのは江戸時代になってからです。このようにして現在のような仏壇の形になったという説が一般的です。 - ■仏壇の構成
- 仏壇には扉が付いていますが、これは寺院の山門を見立てたものと言われています。
仏壇の内部は基本的に3段になっています。
仏壇の中の一番高い中央の檀は、「須弥檀(しゅみだん)」といい、須弥山(しゅみせん)を表しています。
この須弥壇が仏壇の中心であると考えられています。須弥壇の上にあるのが「宮殿(くうでん)」と呼ばれる聖なる場所です。
仏壇の構成は宗派によって形式が異なりますが、一般的にはご本尊を須弥檀にまつり、その左右に脇侍仏や祖師をまつります。その下の段に位牌を置きます。位牌が複数ある場合は、向かって右側から順に並べます。 - ■宗派別の本尊
- 仏壇で最も大切なのものは、いわゆる"ご本尊"です。本尊は、仏像、絵像、文字だけなど、宗派によって異なります。
仏壇に祀る主な宗派の本尊は次のようになります。天台宗 阿弥陀如来(一般的に多い) 真言宗 大日如来 浄土宗 阿弥陀如来 浄土真宗 阿弥陀如来 禅宗 釈迦牟尼仏 日蓮宗 大曼陀羅