お墓の形
- ■墓石の形
- 墓石の形には、一般和型、洋型、五輪塔、宝塔、宝篋印塔(ほうきょういんとう)、無縫塔、層塔、神道型などがあります。
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- ■一般和型
- 位牌を模した形からできあがってきたものです。江戸時代中期以降に形づくられました。
構成は、竿石(仏石、石碑など)、上台、下台の二重台型が一般的です。
竿石には様々な加工様式があります。- スリン加工
- 仏石に座布団を敷いたような形です。
- 蓮華加工
- 蓮の花を擬したもの。
- 亀腹加工
- 亀甲を模した形で、仏教絵図に見られる縁起の動物である亀の背に仏石を祀る形です。
- 額縁加工
- 位牌に擬した形で、仏石の正面に額縁の輪郭の加工を施しています。
- 中箱加工
- 仏石頭に施す箱形の加工です。特に由来はありません。
- 猫足加工
- 石の花台とし、上に仏石を祀ります。
- 大名型加工
- 石の屋根型笠を仏石の上に置きます。一般的には額縁加工と共に加工されます。
- 水垂加工
- 水切り加工とも言い、上台に加工を施して、仏石の水切り状態を保ちます。
- ●仏教系宗派ならいずれも可です。
- ●仏石正面の彫刻文字は、一般的には「・・・家之墓」、またはその他宗派別のお題目が中心となります。
- ■芝台(四石)
- 墓石全体の偉容を高めます。
また、納骨棺(カロート)の保護、香炉・花立ての置き台となります。
*本来は一枚石ですが、コスト的に四本の石組みで施工されたものが多くあります。 - ■洋型
- 戦後一般的になった形です。仏式神式などの宗教にとらわれない碑としての形です。オルガン型墓石とも呼ばれます。外人墓地にある芝墓地にある一般的な墓石が模倣されています。
- ■五輪塔
- 五輪塔は平安時代後期より建立され、鎌倉時代に一般的になりました。
密教において、空・風・火・水・地は物質を構成する5つの要素であり、「五大」と言い、「五智輪」、「五輪」とも言います。
密教では、あらゆる存在を生じる力を植物の種子に例えます。「五大」は絶対宇宙のすべての種子を表し、人間人体の種子においても「五大」、「五智輪」、「五輪」で表します。
本来、「五大」の正順は、地・水・火・風・空ですが、輪円、廻転され、五輪塔では上より、空・風・火・水・地の順で構成されます。
「輪」とは、一切の功徳を具足円満にしている意味をなします。
「五輪」は法界身に、「身」は「五輪法界塔」に・・・
そして一般に用いられる「五輪法界塔」は、法界塔の標識であり「五輪塔」そのままが法身界となります。五大 音 梵字 形 色 空 キャ 団形 黄 風 カ 半月 白 火 ラ 三角 赤 水 バ 円形 青 地 ア 方形 黒 - *キャ・カ・ラ・バ・アの五字は法界の真言。
- *五大は法界の本尊
- *梵字は仏界との交信に用いるもの
- ●五大を形として表した楕円形、半月、三角、円形、方形を墓石の形として表したもの。
- ●「古代型」「鎌倉型」を中心とした類型で製作される。
- ●「鎌倉型」の典型見本は神奈川県鎌倉極楽寺に「忍性」の墓石があり、毎年一回公開されています。
- ●各部に梵字を彫刻し、方形部分に「・・・家之墓」等の彫刻を行う。
- ●付帯加工は、方形部分を受ける「 」「亀腹」が適当。
- ■宝塔
- *五大は法界の本尊
- 平安時代以降に建立されるようになりました。形式は、相輪(九輪)・笠・丸形塔身で構成されています。
- ■宝篋印塔(ほうきょういんとう)
- 本来は、善をたたえ悪をさえぎるという「陀羅尼経」をおさめた塔でした。
- ■無縫塔(卵塔)
- 台座の上に卵形の塔身を建てたものです。おもに僧侶墓として建てられます。
- ■層塔
- 本来は仏舎利を納めた塔(ストゥーパ)である卒塔婆を模した形です。五重、三重、十三重などの形式に相輪(九輪)を乗せた形式です。
上記の墓より古くからある形式です。
- ●相輪(九輪)とは、方形の露盤、半球状の伏鉢、蓮華の受花と九つの輪とからなるストゥーパの屋頂に乗せたものです。
- ■神道型
- 特別に定められた形はありません。一般的な形としては「天の叢雲の剣(あめのむらくものつるぎ)」を模したと言われる四面錐体型があります。「
- ●「天の叢雲の剣」は、三種の神器の一つで、名古屋の熱田神宮の御神体です。